お友達シリーズ・東海編3
本日もご訪問ありがとうございます。『恋の鉄人285』です。※このブログに初めて訪問された方はコチラ【第一話】
【第百二十話】
前回までの恋の鉄人285は。。。） 恋愛感情を一切出さずに『ライブチャット』で仲良くなったＤ子さんと名古屋デート。その頃流行っていた肉を食べに入った店で、Tボーンステーキを堪能した私たち。過去最高に高額になったディナーに驚愕したのでした。
前回話していたＤ子さんと同じ頃、またこの方も東海に住んでられる女性でＨ華さんという方がいました。この人も話を聞いているとすごく真面目な女性です。出身は北の方の生まれだそうですが、彼氏と同棲のために東海に引っ越して来られたそうで、不運にもその彼とは破局してしまい、帰ることなくまだ東海に残っているとのことでした。それからというもの、なかなかいい出会いに恵まれず、直近では、出会った人が既婚者で「必ず妻とは別れるから待っていて」と言われて、しばらく待っていたものの、なかなか別れる気配がないので自ら別れたということです。なかなかの不幸オーラを纏っているようです。
そんな話を親身に聞いていたことが気に入られたのか、Ｈ華さんはある日のチャットで「大阪に遊びに行っていいですか？」と言って来ました。「私のような者をすぐ信用して大丈夫かいな？」と牽制しますが「大丈夫じゃないんですか？」と笑いながら問い返してきます。多分、ちょっと自暴自棄気味に感じたのですが、嫌なことを忘れたいという思いもあるのだろうと、であれば、楽しい一日にしてあげようと「わかった。じゃあ来たい日を教えてくれる？」と受け入れることにしました。
Ｈ華さんの大阪でのやりたいことのその一が「明石焼を食べたい」でした。たこ焼きではなく明石焼きなんや？と。あとは妹さんが結婚して今度遊びに行くことになっているのでその時にお土産を持って行きたいとのことで、その買い物に付き合ってほしい。そして、また大阪ならではの夕食にしたいとのことで「お好み焼き」をリクエストしています。まぁどれも遠慮がちなリクエストですが、彼女の元気が出るようにすべて叶えていきましょう。
６月の週末。名古屋駅から「近鉄特急」に乗ってＨ華さんはやってくると言います。終点の「なんば」駅で待ち合わせた私。到着時間に『ライブチャット』で見慣れた姿の彼女が改札を抜けて来ます。「長旅ごくろうさま」と彼女を労うと「今日はよろしくお願いします」と真面目な彼女らしい受け応えの初顔合わせとなりました。
第一希望の明石焼きを食べるとなると、私のわかる範囲で言えば『ぶぶ亭』で、一時期ほど店舗が多くもないので、まずは梅田に向かうことにしました。御堂筋線に乗り一路梅田へ。『ぶぶ亭』は阪急三番街の中にあります。週末のランチタイムということもあり、けっこう人が並んでいるようです。楽しみにしていただけあって、メニュー選びに真剣な眼差しを向けているＨ華さん。15分ほどの時間を待ち、店内へ。私もこの店には入ったことがありませんが、この日は大盛況です。「食べたいもん、食べや」というと「明石焼」と「たこ焼きグラタン」！とオーダー。私も久しぶりに「明石焼」を食べることに。ランチにしてはボリュームがないかなぁと少し心配していましたが「たこ焼きグラタン」はけっこうカロリーがありそうです。結局彼女も全部は完食できないので私が半分協力してなんとか完食しました。意外とお腹が膨れるものです。食べたかったものを食べられて満足そうなＨ華さん。「次は妹さんのお土産でも見に行く？」と言うと彼女は「は〜い」と返して『ぶぶ亭』を後にしました。
結婚のお祝いということで、家庭用品を考えているというＨ華さん。「であれば、やっぱ阪急百貨店かなぁ」と週末でごった返す阪急に足を運びます。普段はあまりじっくり見ないフロアですが、広い家庭用品コーナーにはいろんな種類のものがあります。そんな中、彼女はエプロンが気になるようです。聞くと、妹さんは料理が好きで台所にもよく立つと。なるほど、結婚したての料理上手な女性にはいい贈り物ですね。でも、いざ決めるとなると、意外と優柔不断のようで、なかなか決め切れないようです。「また今度でいいかなぁ」とか言っています。「ここまで迷ったのに？」と私が笑うと「一旦、頭をリセットしたい」と言うので「じゃあ、お茶でも飲みに行くか」と百貨店内のカフェに向かいます。やはり週末だけあって、カフェも待ち状態です。ここでも15分くらいの待ち時間を経て、やっと入店です。ただ、たまにはこういうスケジュールの縛りのない時間を過ごすのもいいものです。
お茶をしながら「恋鉄さんはどういうタイプの女性が好きなの？」と唐突な質問。「え？Ｈ華さんのような真面目な女の人、好きやで〜」と答えると「みんなに言ってるんでしょ」と。「あはは、まぁ私はタイプというより、好きになってくれた人が好き(笑)。」と言うと「それはズルい」と笑います。もちろん彼女にも、私の恥ずかしい過去の恋愛のことはある程度話していたとは思うのですが、こうして何人もの女性と関わっていること自体が、ちゃんと恋愛しているとは思えないそうで、全然信用がないようです。でも不思議なのは、そんな信用していないはずの私のところへなぜ突然来たのかということ。『ライブチャット』でしゃべっていても「男はカラダ目的なんでしょ？」というような発言が多いので、やはり恋愛に疲れて、ちょっとヤケ気味になっていて、どうにでもなれという感覚でここに来たのかもしれないと思うところがありました。ただの思い過ごしかもしれませんが。だからこそ、今日は嫌な思いを一つもさせずに彼女の好きなことだけをできる一日にしてあげたいと思いました。
カフェで休憩したら頭がスッキリしたのか「もう一度エプロン見ていい？」と先程の売場に戻ります。先ほど迷っていた２種類ほどのエプロンを比較して、また少しの間悩んだあとに「これに決めた！」とやっと会計に行くようです。エプロンが手に入ったあと、今度は自分の浴衣が見たいとのことで浴衣売場へ。６月にもなれば、本格的に浴衣売場が展開していて様々な種類のものがあります。Ｈ華さんは20代後半の女性ですが、たしかに和風美人で浴衣が似合いそうです。でも、夏に浴衣を羽織るなんて、彼氏でもいなきゃ、ない発想なんじゃ？というような邪推はやめましょう。
地下の食品売場で職場へのお土産をチョイスして、そろそろ彼女の最後のリクエスト、「お好み焼き」屋へ向かう時間です。彼女の帰る電車が近いなんばに戻り、チェーン店ではありますが、少し贅沢なお好み焼きをうたう「ぷれじでんと千房」でお好み焼きを味わいます。軽く飲み物をオーダーし、焼き上がるまでには少し待ち時間があるので、彼女を店に残して私はある目的のために一旦出ました。
少しして店に戻った時にはそろそろお好み焼きも仕上がりそうです。目の前で仕上がっていくお好み焼きを楽しげに見ているＨ華さん。結構歩いたのでお腹も空いていますから、出てきたお好み焼きをゆっくりと味わいます。カウンター式の鉄板で焼き上げるので、常にスタッフが目の前にいるのであまり突っ込んだ話はできないまま、そろそろ締めの時間。私は内ポケットから先ほど出て、購入したものをＨ華さんに渡します。帰りの特急・乗車券です。「あ、買ってくれたんですか？払いますね」と彼女らしい答えですが「いや、これは私が出すよ。行きは出してくれてわざわざ来てくれたんやし」と言うと「ありがとう」と納めてくれましたが、なんとなく寂しそうな表情を浮かべているように見えました。ただ、帰るのに２時間以上かかるので今のうちに帰さないと遅くなるといけないし、なんとなく投げやりに見えた彼女の言動を、そのまま受け入れるわけにはいかないと思ったのです。
駅のホームまで見送りに来た私。それからまもなく、彼女が乗る特急が入線してきました。窓から手を振る彼女を乗せた電車は、発車のベルでドアが閉まり、あっという間に次駅に向けて旅立っていきました。結局、あの時の対応をどうすべきだったのかは今でもよくわからないままです。
その後、帰った彼女としばらくは交流はあったと思いますが、こちらに来る以前ほど、強く関わってくる感じはなくなりました。久しぶりに姿を見たので話しかけてみたら「私に話しかけてくるなんて誰かにフラれたんですか？」などと皮肉を言ったりして、相変わらずひねくれています(笑)。その時に故郷の北部に帰るという話をしていたと思うのですが、それからは『ライブチャット』で見かけることもなくなっていき、彼女ももう今ではどうしているのかもわからない人の一人となっています。
【第百二十一話】に続きます・・・。
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