天使の素顔
本日もご訪問ありがとうございます。『恋の鉄人285』です。※このブログに初めて訪問された方はコチラ【第一話】
【第五十八話】
前回までの恋の鉄人285は。。。) N歌さんには同棲している彼がいました。私と仲良くなったN歌さんに嫉妬してしまい、私とチャットを続けるなら別れようとまで言い出しているようです。そんな器の小さくなった彼に嫌気がさしたというN歌さんですが・・・。
N歌さんと突然連絡がとれなくなったのは、彼女と同棲中の彼氏が、私と彼女が急接近してしまったことへの嫉妬心からでした。最初は彼氏の言うがまま、私と連絡を取らずにいたN歌さんですが、細かいことまでチェックされている状況に徐々に不満が募り、彼の器が小さいと感じだしたようです。その結果、私に嘘をついているという現状に耐えられなくなり、本当のことを話してくれる気になったと。そして、私に相談してきてくれ、「であれば一旦距離を置くといいんじゃない?」と助言をしたところ、実家に戻る決心をしたN歌さんでした。
もちろん、これで別れてほしいといったような気持ちがあったわけではないので、第三者的立場から、お互いに頭を冷やせばコトは収まるのではないかと考えた末の助言でした。簡単に荷物をまとめて実家に戻ったN歌さんから約束通り連絡がありました。「とりあえずしばらくの間、離れてみようと思う」「うん、今は2人とも熱くなってるみたいやから、お互いのためにその方がいいかもね」

そうは言うものの、やはり自分が原因で仲良しの2人が揉めてしまうのはちょっと心苦しいものがありました。そんな状況だとはまったく知らずにN歌さんと知り合ったので悪気があったわけでもないから余計にです。
そこから数日経って、N歌さんからまた連絡が入りました。
「久しぶりに実家に帰ってゆっくりお母さんと話す時間ができたから、いろいろと相談してみたの」「うんうん、いろんな人の意見を聞いた方がいいしね」「お母さんが言うには、私は東京から帰ってきてすぐ、寂しさのあまりにすぐに今の彼氏のところへ転がり込んだから、いろんな人を見る時間がなかったんじゃない?って」「まぁでもわかる。私も東京から帰ってすぐは誰かと繋がりたかったもんなぁ」「でね、相談があるんだけど・・・」「ほぉ、なに?」「恋鉄くん、一度、こっちに遊びにこないかな?って」「え????」「いやぁ、お母さんに話したの。恋鉄くんのこと」「はぁ」「彼氏しか知らないより気になるならその人とも一度会ってみればいいんじゃないって言われて」「あ〜、なるほど、そゆことね(照)。でも、彼氏さん大丈夫なんかな?」「お母さんも、なんとでもなるんじゃない?って」

N歌さんのお母さんという強い味方をつけることによって、私とN歌さんの初顔合わせが早々に実現することになったのです。今回は彼氏のいる、しかも同棲中の女性。実際にお会いすることなど微塵も考えていなかったので私にとっても予想外の展開でした。ただこの時の私の正直な気持ちを言えば、ちょっと複雑な感じもありました。一旦距離をおいていると言えども、まだ彼氏さんとN歌さんはお付き合いしている仲。私が行ってどうなるものでもあるまいと思っていました。でも、前回のE加さんとのことがあって以来、デートすること自体が久しぶりなので、また彼女と話しているといつも時間を忘れるほど楽しいので、そこは割り切って考えようと、そのデート当日を迎えました。
今回は今までとは違って地方遠征というカタチです。地元から大阪に出て新幹線を使い、N歌さんの最寄りの駅まで向かいます。この時、もちろん一人ではあるのですが、こうして遠征するのもテンションが上がるものだなぁと感じました。もちろん近場でのデートも“勝手知ったる”で計画は立てやすいのですが、どこに行っても既視感があってあまりワクワクはしなくなっていますから。その点、知らない土地でのデートとなると、どんなものを食べようとかどんなところへ行こうとかいろいろワクワクすることが目白押しです。とは言え、不安もあります。この日を迎えるまでに、その彼から何度か「機嫌直して帰ってきてくれ」というようなおうかがいの連絡は入ってきていると聞いていて、N歌さんは割と情に脆いタイプの人であることもわかっていたので、信じていないわけではないのですが、もしかしたら急に中止になる可能性も考えていました。


新幹線に乗り込んで間もなく「今、乗車しました」とN歌さんにメール。すると間もなく「私も今から準備します」との返信があり、とりあえずは今すぐ何か変更がある様子ではなさそうです。仕事で行き慣れたルートではあるものの、緊張で眠ることもできず、一人で新幹線の数時間はちょっと手持ち無沙汰でもありました。
そしてやっとN歌さんの最寄駅に到着し、もしかしたらお母さんといっしょに来られているかもと考えていた私は、少し緊張の面持ちで改札を抜けました。すると、予想に反して、あのいつものひまわりのような笑顔の可愛らしいN歌さんが一人で駅の構内で待っていてくれるのが見えました。
「一人で来てくれたんや?お母さんといっしょかと思ってた」「え?なんで?」「だって親としては心配かなぁと思って」「そんな心配してないよ」
私は毎回、カメラを通して動くN歌さんを見ているのでまったく違和感はないですが、やはり、カメラを通して見るよりも数年若く見えます。当時の彼女は20代前半だったので、正直、10代と言ってもおかしくないくらいに若さが弾けていました。彼女はと言えば、動く私を見るのは初めてなので、終始、私を見ながらニヤニヤしているので「え?なんかちがう?」と聞いたら「いや、写真よりいいよ」と褒めてもらえて私もご満悦になるのでした。
とりあえず、彼氏がこの日も仕事で「この周辺は営業エリアなので、どこかの施設に入ってしまった方が安全」とのことで、数駅先にある地元の遊園地に赴くことにしました。
季節的には秋なのですが、まだまだ夏の暑さが残るそんな日の初デートとなりました。
【第五十九話】に続きます・・・。
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