あれはいつぞやのクリスマス
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【第百三十二話】
前回までの恋の鉄人285は。。。） Ｍ緒さんとの会食を終えて帰ってきてからもしばらくは仲良しでいられました。しかし、ある日を境に連絡が途絶え、LINEからも退出通知が。どんな理由かはわかりませんが、せっかく仲良くなったなのなら、もう少し縁は大切にしてもらえたらと思う今日この頃です。
おぼろげな記憶しかないのですけれど、たしか10年ほど前のクリスマスだったと思います。それが関東住まいのＰ子さんとチャットでよく話すようになった時期でした。あれから随分と経つのに今だに彼女もクリスマスあたりだったということは覚えてくれているようで、えらく丁寧なメールや、本当に日常の会話しかしていないからこそ印象に残ったということを言われた記憶があります。ただ、Ｐ子さんとも多分、最初はカメラなし、マイクもなしの状態でスタートしているはずなんです。最初にメールで丁寧に挨拶するのは当然だと思うんですけれど、意外にそういうところを雑にしてしまう男性会員が多いのでしょうかね。あとは今ではカメラもマイクもあって当たり前になっているので、もしかしたら疎かになっているのかもですが、それがなかった頃の会話は、今よりずっと細かいところに気をつけて言葉を発するようにしていて、それが印象的に受け取ってもらっていたということなのかもしれません。
たしかクリスマスイブ前日とイブの両日、言っても文字でのコミュニケーションであることから、そんなたくさん話せたわけでもないはず。にも関わらず、その丁度１ヶ月後あたりにＰ子さんから「ひさしぶり」というメールを入れてきてくれたのです。その気遣いに心を打たれ、そこから怒濤の毎週末トークが始まります。
Ｐ子さんとは本音で話ができる貴重な間柄となっていきました。そのうちに「チャットしながら顔が見る方法ないのかなぁ」と言ってくれるようになり、そこで、お互いiPhoneを使っていることで「電話番号がわかればフェイスタイムが使えるはず」という私の提案に彼女からワンコールがあり、初フェイスタイム。彼女の顔はチャットで、私の顔は彼女の携帯画面で出して会話を楽しみました。
チャットが終わってもフェイスタイムを続けて盛り上がった私たち。今まではサイトのメールしか頼れなくてよく話すタイミングを逃していましたが、これからはいつでも繋げることができます。もちろん話す時は必ずチャットを繋いでフェイスタイムをすることに決めています。『ライブチャット』初期の頃、女性と話す時は自分がテンションをわざと上げてしゃべらないと間がもたないのですが、Ｐ子さんには自然体で接することができ、これが何より楽でいいのです。
そんな素で話せるＰ子さんに、ある日のチャットの中で、もちろん冗談半分で「そっちへ遊びに行こうかなぁ」と持ちかけてみると「いつ？」とそれこそ素で返ってきたのです。話はその後、一気に具体的な方向へトントン拍子に話が進みます。あれよあれよという間に約束の日が決まり、４月の後半には私の上京が決まったのです。
あまりに話が早く進むことに対してあまり調子に乗るのは良くないと思い返し、その頃、同時期によく話していた精神科のお医者さんを営んでいるというＬ美さんに相談してみると「現実性があればあるほど加速度的に進んでいくものやって思ってる？それってちょっと危険と違うかなぁって思うところもあるよ。どれだけ温めても器がしっかりしていなければ変形して壊れてしまうだけに終わってしまう。」と忠告を受けました。まずはチャット内でもっと関係を温めてからの方がいいのではないかということのようです。でも、その頃の私は、自分を信用してプライバシーを開示してくれているＰ子さんにどうしても肩入れしてしまうのは致し方ないことだろうと思っていました。ただＬ美さんの忠告にもあったように、今までのように結論を急ぐのではなく、関係性は焦ることなくゆっくり温めるべきなのかも知れないとも思っていました。
４月に入ってからは、チャット、電話やフェイスタイムと、Ｐ子さんと過ごす時間が断然増えてきていて、テンションも上がりっ放しの状態が続いています。そんな私を見かねてか、Ｐ子さんは「普通で来てよ」と笑います。実際、付き合って、こっぴどくフラれたＮ歌さんの時でも最初は何も期待せずに行っていますから、もちろん最初に会う時は「普通」で接するようにしようと思っています。これまでの経験から私が押し始めるとことごとく失敗するようです。皆、私の思いの重さにしんどさを感じるのでしょう。ですから、Ｐ子さんとは、何も深いことを考えず、ただただ楽しい時間を過ごせればそれでいいのです。
【第百三十三話】に続きます・・・。
※当ブログはほぼ私個人（目線）の私見と体験談で構成しています。私以外の登場人物に対してのプライバシーに配慮し演出をかけている場合があります。ご承知おきくださいますようお願いします。
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