運動習慣
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【第百七十六話】
前回までの恋の鉄人285は。。。） 『ライブチャット』で出会ったＭ奈さんと半同棲生活はまだ二回目。まだまだお互いが理解し合うのは時間がかかりそうですが、まずは年上の私が彼女に理解を示さねばならないでしょう。とにかくいつも不安げに甘えてくる彼女は愛おしいのですが、甘えさせてばかりもいられません。
土曜の夜が明けた天気のいい日曜日。まだ眠気の抜け切らない彼女を無理矢理起こして朝食をすませ、今日は私が地元でやっている運動をこちらでもできる場所があるかを確認しに歩きます。
地図では、彼女の住まいの近くに大きな川が流れていて、その河べりに広い場所もあるようです。さっそく彼女と２人、そこへ向け歩き始めます。日曜の朝ということも手伝ってか、人通りも、車の行き来も少なく比較的歩きやすく、気持ち空気も澄んで感じます。こういう行動は、もちろん自分の運動習慣をきちんとすることを見据えてのことではあるのですが、それだけでなく、彼女の精神衛生上のことを考慮してのことでもあります。平日はどうなのかわかりませんが、見ている限り、私といる時間は、精神科で処方されているのであろう薬を口にしているのを見ていません。彼女の服用している薬がどのようなものかはあまり詳細は聞いていませんので多分ですが、抗うつ剤や、精神安定剤や、睡眠導入剤などが処方されているのでしょう。彼女に限って言えば、精神的に安定さえすれば飲まなくても大丈夫な日もあるということです。つまり、私がいる間は気持ちは落ち着かせることができているということ。あとは私がいなくても薬に頼らないで済むようにできればいいわけです。ただ、これは彼女には言っていません。精神薬は体にはよくないというイメージはあるものの、薬の知識のない者の中途半端な思い込みだけで状態を余計に悪くしてしまう可能性もあります。彼女のペースで、薬がなくても大丈夫な時は飲まないでもいいし、どうしてもないといけない時は飲めばいいと思っています。私にできることは、彼女の体内時計をできる限りきちんと機能させて、起きる時間や寝る時間を一定に保ってあげること。日の高いうちに、適度な運動をすることで、薬に頼らずとも自然に眠りに入れる体をつくること。つまり、運動できる場所を見つけて、自分の運動習慣の一部を彼女も行うことで、なるべく自然に睡眠をとれるようにするのが主な目的です。あとはできるだけ栄養がとれる食事をとるようにすることです。この時は、彼女を立ち直らせてあげたいと必死になっていました。自分のやることがが彼女の幸せに繋がると信じて疑いませんでしたが…。
地図を頼りに目的の場所に向けて歩いていると、せりあがった堤防のようなところに階段があり、それを上がると、急に目の前が開けて、大きな川が現れました。川に沿って幅の広い、ウォーキングロードのようなものが整備されています。お年寄りのウォーキング、ミドル世代のランニングコースとして定着しているようです。とりあえず、向こう岸に渡れる橋があるところまで歩いてみます。もちろん都会の川なのできれいなものではありませんし、意外に人通りも多いので、癒されるほどではないものの、休みの朝に体を動かすには悪くありません。ただ、まっすぐな道が単調に続くので景色に変化がなく、走ったり歩いたりしていても飽きてしまうかもしれません。しかも橋から橋までの距離が意外に遠く、結構な距離を移動することになるので、軽く運動しようと思うには不向きかもです。今日は下見でただただ歩いているだけなので渡れる橋を使い向かい側の岸に渡り、戻ります。
今日はもう一箇所、公園らしきところもチェックしていて、そこも下見に行くことにしています。河岸では鉄棒などの運動器具などは設置されていないので、その公園にはそういう軽い運動器具のようなものがあれば、それを使って運動も可能です。それに、河岸には殆ど木陰がありません。本格的に暑くなったら、多分、ここでの運動には限界があると考えたからです。私が毎週末行って運動している公園にはそういった木陰になる部分があり、真夏などはそこで数度は気温が変わります。もちろん、木陰の弱点は、蚊の溜まり場になりやすいということ。ですから、夏の暑い日でも素足をさらすことなんてできません。その代わり、夏の暑い時には上はタンクトップです。蚊に狙われやすいですが、まだ上半身の方が目につきますからね。鍛えてる自慢をしたいのか？違うんです。冬までそんな格好している人はそうなのかもしれませんが、夏の暑い日にタンクトップになることの理由が私も運動しだしてから理解できました。暑くなると一番熱がたまるのが、脇の下と胸の間なのです。そこに熱だまりができるとたまらなく熱くなる。タンクトップはそこが開いているので熱を逃してくれるわけです。それで炎天下で運動していてもまだ耐えられるということなのです。まぁ気温の低い季節から比べれば、それは体力の消耗も半端ないですし、息もすぐ上がるのは違いないのですが。
河岸を抜けて公園に到着。ちょっと地面が土というより泥っぽく、固まりやすい感じで、石ころも多く、走る際には足に負担がありそうです。周りは木で囲まれていて木陰はできやすそうですが、先述したように蚊の溜まり場や蚊柱ができやすそうです。運動器具はさほどなさげ、と。とりあえずはひと回りして、今日は折り返します。でもこれで運動できる場所は確認できました。帰って、２人のスポーツウエアを買うことにしましょう。
【第百七十七話】に続きます・・・。
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